プロの技術者としての現場監督を育成 余裕とやりがいを創造するための業務モデルを構築

株式会社コラボハウス一級建築士事務所様

※本記事は2020年5月12日発売のハウジングトリビューン(創樹社)掲載の「現場管理ツールは働き方改革の救世主になるのか!?」という企画におけるANDPADの利用企業である株式会社コラボハウス様へのインタビュー記事の転載となります

株式会社コラボハウス一級建築士事務所の紹介

愛媛県松山市に本社を構え、愛媛県や香川県などで住宅事業を展開するコラボハウス一級建築士事務所。完全注文住宅を年間約240戸も供給する一方で、非常に効率性の高い事業モデルを構築している。どのようにして、完全注文住宅でありながら効率性を向上することに成功したのだろうか。

現場監督の完工棟数は年間24棟前後

株式会社コラボハウス一級建築士事務所は、2008年に現在の会長であり、現場監督を務める田窪寛氏と、一級建築士である清家修吾氏が創設した会社だ。創業からわずか10年余りで年間の供給戸数が約240戸に達するなど、急成長を遂げている。

また、若い人材が活躍している会社でもあり、中間管理職を置かずに、フラットな組織運営を実践しているという点でも注目すべき地域ビルダーである。

さらに、設計者が営業を担当し、契約を行い図面が完成した時点で、完全に現場監督へと引き継ぐというビジネスモデルを展開していることも同社の大きな特徴だろう。設計者は施主とのファーストコンタクトからプラン提案、契約手続き、設計までを担当する。その後は現場監督が引き継ぎ、施主とコミュニケーションをとりながら引き渡しまで行う。

当然ながら現場の管理を行いながらの業務になるため、現場監督の業務負荷が増えるような印象があるが、同社の現場監督は月2棟のペースで完工していくという。年間では24棟前後を完工していることになる。

しかも、同社が提供する住宅は完全注文住宅だ。施主の細かなニーズにも対応している。契約から引渡しまでに平均で135日前後かかっていることからも、その様子をうかがい知ることができる。

田窪氏は、「当社ではお客さまを自分の友人だと思って、1棟に全力で向き合うことを全社員に求めています。全社的に共有しているルールはそれだけです。あとは個人の裁量に委ねている部分が大きいです」と語る。

一聴すると、かなり手間がかかり、言い換えると非効率な部分が多いのではないかと思えるが、それでも現場監督は年間20棟を超える完工をコンスタントに行っている。さらに言うと、「期末であっても、期初であってもコンスタントに月23〜24棟程度の引渡しを行っています」(田窪氏)という。多くの住宅事業者が期末に引渡しが集中し、平準化に苦しむなかで、完全自由設計でありながら、期初と期末の差がほとんどない。

着工前に時間を割き現場をオートメーション化

同社では、営業・設計担当者から現場監督へと引き継ぐ段階で綿密な打ち合わせを行う。「打ち合わせの事前準備に4時間かけて、打ち合わせに6〜8時間かけることもあります。この時間を惜しんでしまうと、後々、苦労してしまう。逆にここで図面を読み解き、協力事業者の方々への指示などを明確にできれば、現場はオートメーション化していきます」(取締役社長 兼 現場監督 志賀翔吾氏)。

設計者と綿密な打ち合わせを行い、現場監督自ら施主と打ち合わせをしながら、より細かな仕様や施工方法などを打ち合わせしていくのだ。

その時点で設計変更が生じる場合もある。そうした工程を経て、現場監督は図面を読み解き、細かな部分まで含めて施工者への指示を明確化していく。

多くの現場では、問題が発生したら施工者から現場監督へ連絡が入り、現場監督の指示で対処していく「対症療法」的な対応が行われている。一方で同社のやり方は、図面の段階で問題が発生しそうな点を読み取り、あらかじめその問題を予防する策を講じておく「予防医療」的な対応だと言えるのではないだろうか。

そして、こうした業務フローを支えているのがANDPADだ。
工程管理や協力業者とのコミュニケーションをANDPAD上で行うことで、効率性はさらに向上する。「ANDPADがあるからこそ、現場をオートメーション化できます。着工後の現場がオートメーション化することで、肌感覚としては20%くらいの余裕が生まれた気がします」とは、志賀氏の言葉だ。

現場監督が図面を読み解いた細かな指示もANDPADで共有されているので、協力業者は迷いなく現場で施工を進めることができる。「現場監督が技術者としてモノ作りの観点から図面を仕上げ、現場はその指示に従いながら自動的に流れていく。こうした業務の流れを構築し、ANDPADを上手に活用することで働き方改革につながります」(田窪氏)。

志がある社員を離職させないために

今でも現場監督としての役割も担っている田窪氏は、「志があり、この業界で頑張っていこうとしている現場監督が離職していく。そういう悲しい状況を変えたいという想いがありました」と語る。

多くの現場監督は、日々突発的なトラブルの対処に追われ、施主や協力事業者からのクレームにも晒される。そのため、離職してしまい、建設業界から去っていく人材も多い。

「やはりクレームが増えてくると、仕事はきつくなります。クレームを減らすために何をすべきなのか—。そういう発想から着工前の図面を読み解くための時間を多く取るようにしていったのです」(田窪氏)。

同社では、クレームが発生すると、すぐに対処するだけでなく、その情報を改善へとつなげていく作業を大切にしている。その情報を文字化しながら社内で共有していくことで、図面を読み解き、トラブルが発生しそうな部分を未然に防止するといった対応が可能になっていくからだ。

現場監督が“御用聞き化”しているという指摘もあるなかで、コラボハウス一級建築士事務所では、現場を知り尽くした技術者としての現場監督を育成しようとしている。それによって、現場監督の業務負荷が減るだけでなく、プロとしてのやり甲斐のようなものも生まれてくるだろう。余裕を創造し、やり甲斐を創出する—。働き方改革の本質的な部分を形にしていると言えそうだ。

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